煉獄日記

目指せ天国。

2020-01-01から1年間の記事一覧

論文・ノート管理法

珍しく(ごく一部の人にとっては)実用的(かもしれない)内容を書きます。私がどうやって読んだ論文とそのノートを管理しているかという話。一応誰が読むかわからないので書いておくと、私は人文系の大学院生で、学期中は平均して週に本2~3冊、ジャーナル…

(約)365日

中学受験の問題によくある「〇月〇日~△月△日までの日数を求めなさい」というやつが苦手だ。手順や規則が多くて、どこかで間違えてしまいそうでおろおろする。 日本を出て1年が経った。365日。あれ、366日?367日?とりあえず1年。2019年8月11日に出国&入国…

『生きるとか死ぬとか父親とか』、母親とか。

いま日本は7月7日、母の誕生日だ。七夕生まれの母は今日、70歳になった。 ここ数年はなぜか、母の誕生日というか7月の存在を毎年6月末まで忘れていて、「もう6月も終わりか~」と思っては「ていうかあと一週間でお母さんの誕生日じゃん!」と思い出して焦る…

欧米人の見た相撲③イギリス外交官ミットフォード

ペリーとその周辺の人たちの話を書いてからすっかりご無沙汰になっていたけれど、実は夏休みに入ってからまたちょこちょことリサーチを進めていた。明治時代に相撲を観たり、相撲について書いてる欧米人は想像以上に多くて、探せば探すほど次々出て来るのが…

罪悪感の行方

"Silence is complicity" という言葉を少し前に友人のSNS投稿で見かけた。"Silence is complicity"、直訳すれば、「沈黙は共犯」。 初めて学術雑誌に載った論文のタイトルに、私は「沈黙の罪」という言葉を入れた。人種差別を目の前で目撃しながら抗議するこ…

スライムにならないために

今週の授業でジャック・ラカンの鏡像段階についての論文を読んだ。すごくざっくり言えば、赤ん坊が鏡を見て「あ、あれ私だ~!」と気づき、鏡に映った像、つまり「鏡像」を通して自我を手に入れるという話。自我、言い換えるならば「私の考え」とか「私らし…

その気持ちを聞かせてほしい

この一週間くらいで、うっかりドラマ版『凪のお暇』の第一話だけを2回も観てしまった。2回観て、2回とも同じところで一瞬息ができなくなった。「うっかり」と言ったのも、2回目に観たときに「あ、あのシーンが来る」と身構えたときには時すでに遅し、そのシ…

ともだち100人できるかな

夏休みだ。ハワイで過ごす初めての夏休み。そして何より、留学一年目を生き延びた後の夏休み。今日すべての課題を提出して夏休みに入ったばかりなので、正直まだ実感はないし、ただただ気が抜けている感じ。でも、こうやってぼーっとすることも学期末を駆け…

布哇事情(4/22)

相変わらずの外出規制が続いている。とはいえ、適度な散歩や食料品・日用品の買い出しは可能なので、たまに外に出かけては街の様子を見ている。 週末には近所のドラッグストアへ行ってきた。店内にいる人数があまり多くならないように規制されていて、おそら…

泣きながら生れてきた僕たちはたぶんピンチに強い

「感謝カンゲキ雨嵐」っていう曲名のダサさがいかにも若手のジャニーズっぽくて結構好き。最近なぜかしょっちゅう嵐を聴いている。中高生の頃に聴いていた、割と古めの曲。久々にじっくり聴いていたら、「Hero」という曲に「夢を共に追いかけたあの仲間たち…

こんな時にたちの悪い風邪をひいた

先週の月曜から丸一週間以上、風邪らしきもので寝込んだ。一昨日くらいからようやく起き上がる元気が出てきて、昨日から大学院のオンライン授業にも復帰している。まさかコロナウイルス大流行中のこの時期に、こんな風に倒れるとは思わなかった。念のためう…

身を守るすべ

じわじわと心が削られてきているのを感じる。ハワイのこのせまい部屋で、同居する大家さんと隣り合わせ。壁が薄いので、互いの音はとてもよく聞こえる。どれくらい薄いかといえば、大家さんの電話の会話も観ているテレビ番組の内容も8割はわかってしまうくら…

キキとアンと「小さな子供」

金曜ロードショーで放送されたらしく、少し前から映画『魔女の宅急便』の感想をちらほら見かける。それを見てもやっとした私は、「私は魔女宅のような作品をどうしても好きになれない自分を好きになれない部分が自分の中にあるということを自分の強みとも弱…

欧米人の見た相撲②ペリー周辺

昨日の「欧米人の見た相撲①ペリー」の続き。今日はペリーの通訳だったウィリアムズと、ペリーの伝記を書いたグリフィスについて。 「ペリーは実は相撲に圧倒されている部分もあったのでは?」というようなことを昨日は書いたが、今日の2人はもっとクールだ。…

欧米人の見た相撲①ペリー

朝乃山大関昇進おめでとう!とてもめでたい。新入幕のころから「いいなぁ」と思っていた力士が大関に昇進するなんて、こんなにめでたいことはない。めでたいついでに、そして相撲ロスを癒すついでに、さらには無観客相撲を乗り切った相撲協会への称賛の気持…

強い気持ち・強い愛

最初に言っておくけれど、今わたしは元気です。なんとなく人に心配されそうな内容を書くことになる気がするので、念を押しておきます。あとこれもついでに言っておくと、この記事にオザケンは出てきません。タイトルだけ彼の曲名を拝借しました。 かなり昔か…

オンライン授業

今日、初めてのオンライン授業を経験した。結果的に言うと、とてもいい授業だった。小さなトラブルはあったものの、全員が「良い授業にしよう」と前向きに取り組んでいて、それが最終的な皆の充実感につながっていた気がする。一応書いておくと、私は今ハワ…

布哇事情(3/23)

布哇は「ハワイ」と読みます。ちなみにサンフランシスコは桑港、シアトルは沙市。明治大正期に日本人移民の多かった街はオリジナリティあふれる漢字があてはめられてて面白い。 ホノルルに "Stay at Home, Work from Home Order" が出た。 Star Advertiser (…

帰れないホーム

昨日、ハワイ州知事が実質的なハワイの入国(州)を禁じる措置を発表した。ハワイに入る人は、観光客であろうと他州・他国から戻ってきた住人であろうと、入州後14日間の隔離を命じるというものだ。14日間の隔離というのは、今の私にとって現実的にほぼ不可…

すーんとする読書

さすがに今「文学研究をやっています」と言い張っているくらいだから、小さい頃からそれなりに本は読んできた。しかし一般の文学研究者、文学研究志望者に比べれば、おそらくその数は圧倒的に少ない。純文学に至っては逃げ出したくなるくらい無知である。そ…

オンライン診療

アメリカでもこの一週間ほどで火のついたようにコロナウイルスの影響が広がっている。私の住むハワイはまだ穏やかな方らしいが、それでもいろんな混乱や変更が立て続けに起こっている。 こういうとき、「外国人」であるということは非常に心細い。ただ心細い…

2020年の日常

今週は春休みなので少し余裕がある。といっても、いつだって「課題は続くよどこまでも」状態なので、暇というわけではないが。 余裕があるついでに、普段なら書こうと思わない私の日常のことを書いてみよう。アメリカに留学した人文系大学院生の日常はこんな…

ドロップアウト

男性の生きづらさについて書かれた記事が目に入った。男性は生まれた瞬間から社会的名声を手に入れるためのレースに強制参加させられている、という話だった。 https://cakes.mu/posts/29163 言いたいことはわかる。というか、普通にわかる。だって、私も小…

恥の多い(良い)人生

高校三年生の冬。私を含む高校の同級生たちは、勉強のしすぎで少々おかしくなっていた。といっても悪い意味ではない。「箸が転んでもおかしい」が完全に行き過ぎたような状態になっていた。 そんな状態で私と友人が教員室にいたところ、ひとりのベテランおば…

もうひとつのピリオド.

今から四年半ほど前、私は浮かれきって毎日SMAPの「セロリ」を聴いていた。「一人じゃ持ち切れない素敵な時間に 出来るだけいっしょにいたいのさ」、そんな歌詞に励まされ、自分の決断と行動に浮足立っていた。 私にとって、「好きな人」と「付き合いたい人…

言葉の壁と扉と鍵と

“Please, Madame, do not equate my lack of speech with a lack of thought.” (153) この一文を読んだとき、思わず泣きそうになった。小説の一節だけれど、これが物語の転換点になるとか、ここがクライマックスだとか、そういうことじゃない。とても単純に…

一万円のへそくり

中学2年のころから大学に入ってアルバイトを始めるまで、私は部屋にずっと一万円のへそくりを隠し持っていた。その出どころがお年玉だったかお小遣いだったかは覚えていないけど、「これだけは」とずっと使わずに置いておいた一万円があった。 そのきっかけ…

「“M”さん」の来訪

私のもとには時々「“M”さん」宛の郵便が届く。断っておくが、“M”は私の苗字ではない。“M”は、私であって私でない。これは、私が10年前に捨てた苗字だ。 先日、現在のアメリカの家にまで“M”宛の郵便が届いてさすがに驚いた。お前、まだ追っかけて来るのかよ。…

とりあえずピリオド.

5日連続で私の思う「結婚」について書いた。これの前の5つの記事(「結婚をしたいのかもしれない①~⑤」)がそれなので、もし可能であればそっちから読んでもらえると嬉しい。書きなぐった、とでも言うべき速度でほとんど推敲もせずに書いた。だからといって…

結婚をしたいのかもしれない⑤

日本を離れて約半年が経った。アメリカでの暮らしはなかなか気に入っている。 アメリカ暮らしの何がいいか。私の暮らしているところは気候がいい。そして基本的に人がフレンドリーである。ポジティブなものの見方が強くて、相手を褒めるのもうまい。でも、そ…