煉獄日記

目指せ天国。

過去とか現在とか未来とか

犬しか愛せないわけではない

私は夫のことをゴールデンレトリバーだと思っている。人懐こくて、だいたい誰にでもしっぽをぶんぶんしている、もふもふのあれ。かわいい。夫、実は人間だから、あんまりもふもふではないけど。 それゆえに、私と夫の関係は恋愛関係とは言い難い何かである。…

街も人も思い出だって 全てが移ろっていく

婚姻届を提出して1年と1ヵ月が経った。 あまりにも突然の結婚に「なんで結婚したの?」と問われることもしばしばで、そのたびに「そこに戸籍謄本があったから」と答えてきた1年だった。 だって「既婚者なってみたくな~い?」って尋ねてくる阿呆は世の中…

二代目襲名披露

たのしいしんこんせいかつ、みたいなことをしている。 まるで幼稚園児のおままごとみたい。でもわたしたちは30代のいい大人なので、これはまぎれもない「生活」ってやつ、だ、と、思う。 新しく引っ越した先は、初めてのワンルーム。愉快な隣人は毎日外でバ…

幸せの定義なんてねじ曲げてやる

「誰かの“彼女”でいることに耐えられない」、そう言って前の彼氏と別れた数年前の私を、今の私はまだまだ断然支持している。よくやった、あのときの私。 よくやったと思う。だって、それはきっと相手にも周囲にも簡単には理解してもらえない理由だろうとわか…

正しさの境界線

最近なんだか涙もろい。疲れてんのかな。いや、たぶん、疲れてる訳じゃない。良いものに触れて、泣いているだけ。人にすすめられて『大豆田とわ子と三人の元夫』を観てる。「第4話がとてもいいよ」と言われて、何日か前に第4話までたどり着いた。 泣いた。馬…

その気持ちを聞かせてほしい

この一週間くらいで、うっかりドラマ版『凪のお暇』の第一話だけを2回も観てしまった。2回観て、2回とも同じところで一瞬息ができなくなった。「うっかり」と言ったのも、2回目に観たときに「あ、あのシーンが来る」と身構えたときには時すでに遅し、そのシ…

キキとアンと「小さな子供」

金曜ロードショーで放送されたらしく、少し前から映画『魔女の宅急便』の感想をちらほら見かける。それを見てもやっとした私は、「私は魔女宅のような作品をどうしても好きになれない自分を好きになれない部分が自分の中にあるということを自分の強みとも弱…

もうひとつのピリオド.

今から四年半ほど前、私は浮かれきって毎日SMAPの「セロリ」を聴いていた。「一人じゃ持ち切れない素敵な時間に 出来るだけいっしょにいたいのさ」、そんな歌詞に励まされ、自分の決断と行動に浮足立っていた。 私にとって、「好きな人」と「付き合いたい人…

一万円のへそくり

中学2年のころから大学に入ってアルバイトを始めるまで、私は部屋にずっと一万円のへそくりを隠し持っていた。その出どころがお年玉だったかお小遣いだったかは覚えていないけど、「これだけは」とずっと使わずに置いておいた一万円があった。 そのきっかけ…

「“M”さん」の来訪

私のもとには時々「“M”さん」宛の郵便が届く。断っておくが、“M”は私の苗字ではない。“M”は、私であって私でない。これは、私が10年前に捨てた苗字だ。 先日、現在のアメリカの家にまで“M”宛の郵便が届いてさすがに驚いた。お前、まだ追っかけて来るのかよ。…

とりあえずピリオド.

5日連続で私の思う「結婚」について書いた。これの前の5つの記事(「結婚をしたいのかもしれない①~⑤」)がそれなので、もし可能であればそっちから読んでもらえると嬉しい。書きなぐった、とでも言うべき速度でほとんど推敲もせずに書いた。だからといって…

結婚をしたいのかもしれない⑤

日本を離れて約半年が経った。アメリカでの暮らしはなかなか気に入っている。 アメリカ暮らしの何がいいか。私の暮らしているところは気候がいい。そして基本的に人がフレンドリーである。ポジティブなものの見方が強くて、相手を褒めるのもうまい。でも、そ…

結婚をしたいのかもしれない④

なんでこんなに毎晩毎晩、ちょっと気持ち悪いくらいの勢いでこの件について文章を書いているのか、自分でもよくわかっていない。ただ、今書いておかなければ、という気持ちと、今なら書ける、という気持ちに突き動かされるようにして書いている。 なんで今結…

結婚をしたいのかもしれない③

たぶん私は今から、これまでほとんど誰にも話したことのないことを書こうとしている気がする。少なくとも前のふたつの記事みたいに、ある程度一般化できて人を納得させたいという動機で書くものではない。 なぜ「結婚」の相手が女性の方がいいと思うのか。今…

結婚をしたいのかもしれない②

木曜日は授業が夜8時半まであるのだけど、暗くて危ないからと帰り道は先生が毎週車で送ってくれる。とてもありがたい。授業の質問から少しプライベートなことまで二人で話せる約15分間。こういう小さな時間の積み重ねは、大きな精神的支えになる。特に孤独な…

結婚をしたいのかもしれない①

夕食前にオレンジを切っていたとき、まな板を使わず無精していたために指を切った。切った瞬間は気づかないほど、ほんの少し。そしてオレンジだと思っていたものを二つに割ったら、グレープフルーツだった。 この時、「あー、結婚したい」と思った。 つまり…