煉獄日記

目指せ天国。

容量のムダ使い♡

最近、本が読めない。
本と言っても、英語の研究書の話で、日本語の研究書ならぎり読めるから、「本が読めない」というのは不正確かもしれないが、とりあえず今わたしが読まねばならぬ「本」はほとんどすべてが英語の研究書なので、気持ちとしては「本が読めない」で正しい。

具合が悪いと本が読めない。でも、それにもいろんなバリエーションがある。いろんな「具合悪い」があって、いろんな「読めない」がある。

あまりにも本が読めなくてくさくさしているので、いっそ本が読めない自分を観察して分析してやろうと思った。

 

「具合悪い」の中でも諦めがつきやすいのが、動けないやつ。
単純にベッドから起き上がれない。机に座れない。本を持っているのもしんどい。それでも強引に机で本を読んでいる姿勢をとれば、まぶたが落ちてきたり、もっとダイレクトにチックが出たり、とにかく身体が本を読ませてくれない。ちなみに、ベッドで横になって読もうとしたって、やっぱりチックが出て読めない。視界に文字が入ってこない。
もうこうなったらどうしようもなさすぎて、本なんか放り出して寝る。最近1ヵ月くらいがこれだった。

 

諦めがつきにくい「具合悪い」が、頭が働かないやつ。今これ。
これは「具合悪い」より「読めない」が際立つ。文章が理解できないというか、文章がmake senseしてくれないというか、とにかく奇妙な感じ。とりあえず目の前に本を開いて目を通すという動作まではできるのに、わかるはずの内容がわからなくなるから、今読んでいる本が極端に難しいのか(そういう場合は実際ある)、自分の英語力が突然落ちたのか(それは眠い時に起こる)、それともそれ以外の何かなのか、判断がつかないまま同じページの同じ行を右へ左へ視線をふらふらさせてしまう。

視線をふらふらさせながら、その「読めない」にはいくつかの原因というか症状が複合的に現れているなとふらふら思った。

まず、記憶力がめちゃ下がってる。前の単語覚えてない。覚えてないというか、本当に全部が右から左で(紙の上では左から右だけど)、単語ごとに意味を把握しては忘れて、把握しては忘れて、文章が終わるときには何も残らない。

ぎりぎり単語の意味を脳みそにキープしても、論理的な思考力が全然働かなくて理解できない。「AだからB」と言われても、それがなんでなのか理解するためにAを見直しBを見直しぐるぐるした挙句「とにかくAだからBってことにしとくか。。。」と理解3割諦め7割で進むことになる。

そして、視線はふらふらしてるって言ったけど、変なところにばかり注目してしまう。ものすごく基礎的な単語(be動詞とか)や、その文脈では重要性がほとんどない単語(「先行研究」の意味の "literature" とか)ばかりが頭に入ってきて、肝心な部分に目がいかない。

さらに、なぜその単語かはわからないけど、ひとつの単語に突然目が留まって全く何も繰り返されてないのに勝手にゲシュタルト崩壊を起こす。今日は "concept" という単語でそれが起こって、紙の上でアルファベットが躍り出しそうになってた。

 

とまあ、こんな状態なので、読むのにえらい時間がかかる。繰り返し読んだり、声に出したり、まめにメモをとったり、七転八倒しながらのろのろと読み進める。で、読み進めたと思ったらその前のところが何だったかわかんなくなってるもんだから、もういやになっちゃうねー。

今日の記録は30分で5ページ。それだけ読んだらもうへろんへろんでギブアップ。なんてこった。

 

最近、アニメ版のHUNTERxHUNTERを見ていたら、ヒソカがナイスな顔で「容量(メモリ)のムダ使い♡」って言ってた。

主治医に幼少期の話をしたら、簡単に言えばヒソカの言うメモリの無駄遣いがわたしの脳内で起こっているのだろうという結論になった。脳内で過去のトラウマを必死に処理しまくってて、本を読むほどのメモリが残ってないそうで。

確かにこの一年は、慣れないことに追われて忙しかったという意味でストレスはそれなりにあったけど、ストレスの度合いと体調不良の度合いがあまりにも不釣り合いだなと思っていた。この一年にあったことは、ストレスというより、トリガーだったんだなと考えたらとても納得がいった。確かに、トリガーどころか、これまで避けて逃げて抑え込んできたもの全部を蓋開けて頭突っ込まれたみたいな一年だったからな。

治療方針も変わったことだし、これからショート寸前の脳みそがどうにか復活して英語論文を理解できるレベルまで働くようになってくれるといいけど。

 

ハワイの生活も研究も大好きなものだらけなんだから、そんな現在を楽しむために脳のメモリを空けていきたいですね。