煉獄日記

目指せ天国。

英検1級について【その二】

【その一】を書いてから少々時間が経ってしまいましたね。いい加減、合格した際の面接について書きましょう。

 

二回目の受験(2015年度第1回)では、以下の点数で合格しました。

①Short speech 18/30(+3)

②Interaction  24/30(+6)

③Grammar and Vocabulary  16/20(+4)

④Pronunciation  14/20(±0)

合計 72/100(合格ライン60点)

 

なんだかんだこうやって比較してみると、わりと順調に点数を伸ばしたんだな、と我ながら思う。試験後の手ごたえとして Interaction は上がるだろうと踏んでたが、正直 Short Speech と Grammar and Vocabulary は前回と同じ、またはそれ以下を予想していた。

思い出せる範囲で、当日がどんな感じだったか書きましょうか。

事前の準備でトピック選びは15秒程度と思っていたにも関わらず、トピックカードを渡されてから約30秒後にトピックを変更するという賭けにでた。最初に選んだトピックは「男女平等は社会で十分に達成されているか」という内容。ジェンダーについては常々思っていることがあるし、と考えてこれを選びかけたが、やはり「常々思っていること」が多いからこそ論点が混乱。第一回と同じ過ちを繰り返してはならないと思い、とっさに「スポーツは商業化されすぎているか」というトピックに変更。

そうは言っても私スポーツなんて全然知らない。知ってるのなんて相撲くらい。そういえば相撲ってテレビ中継のために仕切りに関するルールが変わったんだった。これって商業化の影響って言えるんじゃ?などと考えつつ、浅すぎる知識の中から使えそうな決り文句を頭の中でピックアップ。

スピーチとして、「商業化されすぎている」という立場をとり、①テレビ放送の開始により相撲はルール変更を強いられたが、これは商業化の悪影響である、②スポーツ選手がスポーツ以外の仕事をする機会が増えることは良くない、という2点を理由として述べた。はっきり言って、「スポーツは商業化されすぎているか」というトピックに対してはどちらも少々外れた内容。それでも6割(合格ライン)の点がとれたのは、相撲についてかなり具体的な論を述べた、時間配分が良かった、沈黙の時間をつくらなかった、などの理由によると思われる。

 

次は面接官との質疑応答。これが今回試験では最も成功した点であり、スピーチに比べれば自然な英会話に近い状況のため、得点しやすいポイントだと思う。質問は「スポーツ選手はスポーツに専念すべきか」に始まり、私は自身のスピーチの論旨もあったため「その通りだ。彼らはスポーツ選手として活躍するために企業に雇われているのであり、その他の活動は練習の妨げになるのですべきではない」と返答。最初の質問でこう答えてしまった以上、その後も「スポーツは純粋にスポーツとして行われるべきか」「東京オリンピックについてどう思うか」など割とオーソドックスな質問が続いても、「金の絡むスポーツなんかスポーツじゃねぇ!」という態度で答え続けた。今思えばやたらとラディカルな意見を言っていた気もする。それでも論旨が乱れるよりはよいのです。

最後に「東京オリンピックの施設建設費が無駄だと思うなら、何にお金をつかうべきか?」というスポーツから外れた質問が出た時には、"victims" "natural disaster"といった超基本単語が出てこず焦ったが、"To help people in Fukushima and Hiroshima"という曖昧な文章で逃げた。ここで原発や自然災害に関する英単語を滑らかに使えてたら、単語の点が少しは上がってたかもしれない。

 

こんな感じで2度目の面接試験は終わった。正直「これで合格点超えるのか」という驚きの方が大きい。英検対策の本を読むと、論旨ががちがちに固められた完璧なスピーチが載ってて「こんなの無理!」と思うが、そんなのは求められていないらしい、というのが今回合格して抱いた印象である。

少々論旨が外れても、滑らかな英語で話し続けること。面接官の質問にはとにかく真正面から答えること (Do you~? とかDoes it~? って聞かれたらとにかくYes,Noを言うとか)。英検一級を受けるほどの人の中には、幅広い知識を持った論理的思考に優れた人も多いだろう。しかし、そういう人が「正解」を考え始めると、それはとてもじゃないが2分では語りきれない内容になる。難しいことは考えず、新聞やニュースで頻繁に見聞きする程度の浅く広い知識を当たり障りない範囲でペラペラと話せばいい。それが今回の面接試験で最も強く感じたことだ。知識の基準としては、中学受験の社会といったところだろう。

 

英検一級といえど、これは「英語」の試験である。確かにTOEICとは比べものにならないほど難しいとは思うが、海外旅行に不便のない程度の会話力と、新聞が辞書なしでもだいたい読める程度の読解力があれば、意外と対策次第では受かるんじゃないの、と思った。

「英検一級なんて無理!」とびびっている人も、そんなに恐れず受けてみればいいと思う。そして、こんなへらへらしてても受かることもありますよ、とこれから受験する人たちにはぜひ知ってほしい。

この記事が、面接試験対策に怯えてる人たちにとって、少しでも慰めや励ましになりますように。