煉獄日記

目指せ天国。

タコスよりブリトーですよね?

「コパ」というのはスペイン語でグラス、コップといった意味らしい。日本語にするならば、「一杯の酒」ってところだろうか。

 

カリフォルニア州に留学して以来、日本人にとってのメキシコ料理が主にタコスを指すことにずっと疑問を感じている。だって、タコスより、ブリトーじゃない?

アメリカで食べたブリトーの味が忘れられず、もう何年も「メキシコ料理」と見れば試してみる、ということを繰り返していた。しかしいつも、「私の知ってるブリトー」ではない何かが出てきた。中身に生野菜がたっぷり入ったもの(生春巻きみたいな)、グラタン状になったもの、やけに中身がぱっさぱさなもの、どれもこれもおいしくなかったし、そもそもアメリカで食べたものとは完全に別の料理なものが多かった。

そんな10年越しの恋のように思い続けたブリトーを、つい最近ようやく見つけたのだ。灯台下暗し。週に二度も通っている街の、駅から少し離れたところにある居酒屋めいたメキシコ料理屋。そこにはまさに、ずっと恋い焦がれたブリトーがあった。

たっぷり入った肉と豆とご飯。味付けはあのメキシコ料理独特の、スパイシーなバーベキューのような味。あたたかいトルティーヤにぐっと力を込めてナイフを刺しこめば、ソースのような肉汁のような旨味が流れ出てくる。濃厚な味ではあるが、時々付け合せのワカモレとサワークリームをつければそのバランスがまたちょうどいい。

 

しかしいかんせんメキシコ料理は基本的に量が多い。一人では(少なくとも私は)食べきれない。今までに二度友達と行ったけれど、また行きたいのになかなか誰もつかまらない。しびれをきらして、とうとう今週一人で行ってきてしまった。

量も食べられないし、お酒も飲めない。1人だったこともあり限りなくバーに近い雰囲気のカウンター席にうっかり座ってしまったけど、さすがにお酒の瓶がずらーっと並ぶ棚の前に腰掛けて「パインジュースひとつ」というのはちょっと気まずかった。その上、「ビーフブリトー、少し小さめでお願いします…」という気弱な注文。なのにちゃっかりお店の人とお話なんてしてたら、「これサービスね」と言ってリンゴまで出されてしまう。満腹を通り越して、多少胃もたれしそうだった(笑)

でも美味しかったー。大満足、超満足。お店のおばちゃんもとってもいい人。お酒が飲めなくても、入っちゃえば意外とどうにかなるもんですね。だって、メキシコ料理、おいしいし。またふらっと夕飯を食べに行こう。もちろん、パインジュースと小さめブリトーの組み合わせで!

 

そういえばそのお店の人におすすめしてもらったメキシコ料理屋があったんだ。麻布十番のフリフォーレス。「タコベルがサブウェイになったようなお店!」と教えてもらった。調べてみたら、本当にタコベルがサブウェイになった店だった。大手町、赤坂、六本木にもあるのね。今度行ってみよーっと。