煉獄日記

目指せ天国。

シェイク シェイク ブギーな胸騒ぎ

たまにはフレッシュなSMAPネタでも書きましょう。

NHKの長寿番組「のど自慢」の70周年特別企画として、今日8月30日の放送にSMAPの5人が駆けつけた。ふだんよりも30分長い1時30分までの拡大版となった番組の最後で、SMAPはわきたつ観客を前にSHAKEを披露。コンサートでは定番の木村拓哉による替え歌も見られた。

 

SMAPの大ヒット曲はバラード系が中心なため、アップテンポでありながらミリオンヒットとなったSHAKEは、SMAPがゲストとして出演した番組で歌われる機会も多い。いかにも90年代の若者らしいあっけらかんとしたお気楽な歌詞は、どんな番組にも当たり障りのない曲だろう。

しかし最近では、歌番組でSHAKEが歌われると、いつも何かぬぐいきれない違和感があった。あの90年代の空気をまとった曲が、現代のステージセットや衣装と噛み合っていないのだ。アイドルでさえ洗練された雰囲気が求められる近年の風潮のなか、SHAKEは少々時代遅れなのかもしれない。

その点、今日の「のど自慢」は素晴らしかった。白いシンプルなスーツの衣装と狭いステージ。「のど自慢」のセットを使っているため、もちろん過剰なライトアップもなし。「クール」とか「スタイリッシュ」なんて形容詞とは程遠い歌だった。というか、はっきりいって、なかなかにダサかった。しかし、なぜかSHAKEはそれが合うのだ。演出が少なくSMAPの下手なダンスと歌唱力が明らかになってしまう、そんなごまかしのきかない状況で歌われるSHAKEは、まぎれもなく1996年にSHAKEという歌が大ヒットしたときの、「あのSHAKE」だった。

まるで売れてないアイドルのような姿でSHAKEを歌う5人は、不慣れな状況になにやら照れているようでもあった。こんないかにもアイドルらしいパフォーマンスなんて、最近はする機会ないものね。

嵐を代表とするジャニーズの後輩たちはパフォーマンスそのものがうまく、アイドルっぽさを売りにするアイドルはいつのまにかあまり見かけなくなった。「アイドル」という文化が好きなファンにとっては、少々寂しい時代になっている気がしてならない。

 

「アイドルらしいことさせられちゃってるよー」という心の声が聞こえてきそうな今日の彼らのパフォーマンスは、SMAPファンとしての初心を思い出させてくれる最高の数分間だった。