煉獄日記

目指せ天国。

臥牙丸と照ノ富士

大相撲五月場所が閉幕してもう二週間ほどが経つ。そろそろ夕刻の「相撲ロス」に悩まされることもなくなり、少々気持ちは大相撲から離れ気味だったのだが、そんな中でも相撲協会のツイッタ―にアップされる力士たちの写真には心が和む。

 

以前から相撲に関心はあったのだが、どっぷりはまってしまうことを恐れてあまり近づきすぎないようにしていた。個人競技で、短時間で終わって、「技」が重要になってくるスポーツが好きな私だ、そりゃあ相撲を見れば夢中になるに違いない。そんなわけで、大相撲中継等は見て見ぬふりをしたまま数年が経っていたのだが、北大路公子や能町みね子といった相撲好きたちをツイッタ―でフォローしているうち、我慢ができなくなった。とうとう三月から見始めてしまった大相撲、ああ、なんて楽しいんだ。また一つ趣味が増えてしまったではないか。

五月場所を見ているうち、徐々に相撲の技やそれぞれの力士のスタイルのようなものが見えてきた。そんな中でなんとなく気に入った力士、いわゆる「ごひいき」となったのが、臥牙丸と照ノ富士の2人だった。

臥牙丸は、とにかくかわいい。(ちなみに読み方は「ががまる」である。そんなヤンキーっぽい名前も丸い見た目とセットになればポケモンの名前か何かに聞えてくる)大きな体であっさり負けてしょぼくれる姿や、うってかわって気迫十分に相手を押し出す姿など、その天真爛漫な雰囲気に心ひかれた。そして、今回の初金星である。顔をほくほくさせてインタビューに答える臥牙丸はまるで無邪気な少年そのもの。だってインタビューで「めちゃうれしい」とか言っちゃうんだもの。横綱に勝てるよう神様にお願いして、勝てたらお母さんに報告するのを楽しみにして、なんてかわいいの、臥牙丸。今後もこの力士を応援するぞ、と心に決めた瞬間でした。


臥牙丸が初金星!日馬富士を押し出し「めっちゃうれしい」平成27年5月場所10日目 ...

 

照ノ富士については言わずもがなだろう。白鵬の強さは相撲初心者の私にも痛いほどに理解できたのだが、そんな中で「あれ、この人もすごく強いぞ」と目に留まったのが照ノ富士であった。強い力士がいかなる力士なのか、正直私にはまだわからない。しかし、取組を見ている最中に、この素人目に「あ、こっちが勝つな」と確信させてくれる力士は少ない。その確信を何度も感じさせ、そして確信を裏切ることなくそつなく勝つ力士、私の目に映った照ノ富士はそういう力士だった。大関誕生の瞬間に立ち会わせてくれてありがとう、と心から言いたい。照ノ富士が今後頂点まで登りつめることへの期待と希望は、確実に来場所からも私をテレビの前に釘付けにするだろう。

 

五月場所について、能町みね子が「平成生まれ力士の優勝を期待」と言っていたことを相撲好きの友人(彼は小学生のころから大相撲のファンらしい)に話した際、「平成生まれの力士が優勝したら、なんか僕たちもがんばろーって気持ちになるよね」という会話をしていた。そして、なんとなく注目していた照ノ富士が見事優勝し、初の平成生まれ力士の優勝が現実となった。

これはつまり「お前もがんばれ」というメッセージなのだろうか。勘違いと思い上がりも甚だしいとは我ながら思うが、勝手に照ノ富士の優勝を自分への応援歌ということにして、私も日々たくましく修行(稽古?)に励みたいと思う。