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煉獄日記

目指せ天国。

ヘルペス

ヘルペスができた。10年ぶりか、15年ぶりか、そのくらい久しぶりに。昨日の夜鏡を見たら唇にぷくっと水ぶくれができていた。「傷でもついたかな?」と思ったのだけど、夜が明けたらそいつは3つに増殖していて、そこでようやく「ヘルペス」という病名を思い出した。

ヘルペスと聞くと、なぜか helpless という英単語が思い浮かぶ。ヘルペスは、疲れていたり風邪をひきかけている時にできるもの。身体が「疲れたよー、休みたいよー」と悲鳴をあげているのに、それを無視しなければいけない状況でできるヘルペス。身体の声を押さえつけて前に進み続けなければいけない日常に巻き込まれることは、確かに helpless なことなのだろう。いっそ高熱が出たり倒れたりすれば、たぶん誰かが助けてくれるのにね。違和感と痒みがある以外特に害もないヘルペスだけど、それは従順な身体の小さな抵抗なのかもしれない。

 

今、日高敏隆『ネコはどうしてわがままか』を読んでいる。ヘルペスをつくってもなお無理に働き続ける人間たちに比べて、動植物たちの賢いこと。残念ながら私は人間なので今日もせっせと本業に勤しむけれど、ヘルペスのささやかな痒みは忘れないようにしようと思う。 

 

ネコはどうしてわがままか (新潮文庫)

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